民間交流団体「福岡広州ライチ倶楽部」
福岡市の友好都市――広州は中国広東省の省都。2200年余の歴史を持つ中国の南大門です。古くから通商港として栄え、「海のシルクロード」の出発点に当たります。北回帰線の真下に位置する亜熱帯気候の広州は四季を通じて花が咲く「花城」と呼ばれ、昔から華南地方の中心として嶺南文化を育んできました。
「食在広州」と言われ、新鮮な魚介類、豊富な野菜やトロピカルフルーツをふんだんに使った美食の街としても知られており、飲茶(ヤムチャ)は広州独特の食文化です。
中華人民共和国の成立後は、毎年春明2回の広州交易会が開かれています。また改革開放の旗手として中国の発展に大きな役割を果たしてきました。近年では、珠江デルタの主要な都市、香港・マカオと一体となって世界有数のベイエリアを目指す「広東・香港・マカオ大湾区」構想の中心都市として重要な役割を担っています。
1979年5月2日に福岡市と広州市は日中間の10番目の友好都市となり、今日まで様々な分野で交流してきました。現在広州は世界の83都市と友好都市関係を結んでいますが、そのトップバッターが福岡でした。
40数年にわたる両市の友好交流は、時代の気運を反映しつつ、都市建設や教育、医療衛星、環境など多くの分野で行政交流を中心に進められました。2000年4月には、海外旅行に出かける市民が中国で一番多い年となった広州の旅游局と福岡観光コンベンションビューローが旅行協力協定を結びました。友好都市交流に広州市民が直接参加するようになったのはこのころからです。
こうした交流の変遷の中で、私たちは市民同士の交流をもっと進めたいと考え、2008年4月に民間交流団体「福岡広州ライチ倶楽部」を立ちあげました。
「ライチ」は南国特産のおいしい果物「茘(れい)枝(し)」の広東語音です。毎年6月下旬から7月上旬にかけて、ライチの赤い可愛い実が山一帯の緑の葉に映えます。赤い皮をむくと半透明の白い実が甘い香りを発し、その美味しさは、漢の玄宗皇帝が楊貴妃のために早馬でライチを運ばせたという逸話もうなずけるというもの…。
私たちはこの団体を市民の参加にふさわしい、愛される団体にしたいとの願いを込めて、“ライチ倶楽部”と名付けました。