猛暑の日々にも僅かながら朝夕の涼しさを感じるこのごろ。一昨夜は満月だったので、涼風が吹いて皎々と明るい月明かりの中で家路をたどりました。
ところで満月と言えば旧暦8月15日の中秋の名月こそ「月見る月」ですね。
人民中国のサイトに『中秋節は、春節(旧正月)、元宵節、端午節とならぶ「中国の四大伝統祭り」と呼ばれている。』とあり、中国では一家団欒して月餅を食べる習慣があります。8月半ばから街には月餅がでまわり、人々は互いに月餅を贈りあいます。この日のために遙か遠くの故郷に帰る人も多いのです。
韓国でも中秋節を祝う習慣があり、前後3日間は国民の休日となっていて、人々は月を愛でるというより、先祖の墓に参って“チャレ”の行事をするのだそうです。「丁度日本のお盆みたいですよ」と韓国の友人が言っていました。
今年は9月22日が旧暦8月15日に当たるそうで、その前後がお休みになっている韓国。ところが中国では、内需拡大や国民の便利さを図るためでしょう、時々“臨時の連休”がつくられるのです。祭りの前後の週末休暇を出勤日にし、その分の平日を祭りの日にくっつけて連続休日にする…。なんとも融通無碍な、頭の柔らかい計らいでしょう。
でも今回は感心している場合ではありませんでした。「そいういう訳で、9月23日は連休中になったので、交流が出来なくなりました」という連絡を受けて、「えぇっ!」と叫んだまま言葉を失ってしまいました。
女性の翼はその日の交流協定調印のために団員を募集し、研修をくりかえし、着々と準備を進めてきたのですから。旅行社も翌日までに最終的な確認を入れなければならないという時期になっていました。広州とマカオを入れ替えて、旅行日程を逆にしては、という方法も旅行担当者の頭をよぎったそうですが、この時期は日本ではシルバーウィーク、飛行機の変更が簡単にできるとはとても思えなかった由。
連絡してきた相手に「何とか半日だけ、調印式だけでもお付き合い頂けませんか?!大事な両市の女性交流がダメになります!」と泣きつきましたが「相談してみますが…、自信はありません…」という何とも心もとない返事。そこで私は昨年7月の訪問時に会った広州市婦女連合会のトップに直訴することに決めたのです。幸いもらった名刺に携帯電話の番号が示されていました。直接電話を。受けてもらえるはず。
副主任女史は電話に出てくれ、話をきいてくれ、「分りました、検討します。」と言って下さいました。「交流できます。調印式と昼食会をセットします。」という返事が来たのはそれからおよそ2時間後。あっという間の解決でした。直訴という非常手段をとって。先方の担当者には申し訳なかったけど、これでやっと一件落着。
旅行社の人と共に胸をなでおろした2時間半ではありました。